「ペンギンさんごめんなさい」

「ペンギンさんごめんなさい」

 
 
2019/11/28
 
 
コンビニで100円でコーヒーが飲める。
 
イオンに行けばなんでも安く買える。
 
牛丼1杯500円でお釣りがくる。
 
 
消費者に都合が良すぎないか?
 
 
大量に”仕入れ”られる大型チェーンばかり儲かり、個人経営の店は日に日に減っている。
 
八百屋も定食屋も本屋も、個人の店舗は厳しいだろう。
 
今やシャッター商店街なんて当たり前で、どこの地方に行っても郊外の大型商業施設が賑わっている。
 
安いもの、安い店ばかり利用しておきながら、自分の薄給を嘆く。
 
 
給料が安いのは当たり前じゃないか。
 
人件費をかけてたら安く提供できないんだから、必然的に給料も安くなる。
 
非正規雇用も増える。
 
 
 
例えばあなたが
 
「カフェやってみたい」
 
と思ったとして、客は来るか。
 
 
原価、テナント代、光熱費を考えると
 
どうしても一杯400円くらいの値段が付くだろう。
 
一杯100円のコンビニコーヒーには逆立ちしても勝てない。
 
一杯400円のコーヒーを日常的に飲む人は多くはいないはずだ。
 
結果、個人経営のカフェや喫茶店は今、全国的に苦しんでいる。
 
 
これと同じ現象がカフェだけではなく日本社会全体で起きているのだ。
 
起業しようと思っても店舗を出そうと思っても、どうやっても”大手起業”には勝てない。
 
 
今から独立して、
 
「俺は八百屋を始めるんだ!」
 
「私は夢だった本屋さんをオープンさせるの!」
 
という若者は多くはないはずだ。
 
 
イ○ンが出来ては地元の衣料品店が潰れ、
 
ド○キホーテが出来ては馴染みの酒屋も店を閉め、
 
国道を走れば大手のセルフ式ガソリンスタンドばかり。
 
こうして、大手企業に安い時給で雇われる日本人が、今日も増え続けているのだろう。
 
 
 
それでも自分は何でも安く買える大手チェーン店で買い物をする、、、
 
「だって安い方がいいから」と。
 
 
自業自得ではないか!
 
 
 
と思っていた。
 
 
 
この10年くらい、そう言い続けてきた。
 
宮崎に来るまで。
 
 
しかし、もしかしたら私は大変な勘違いをしていたのかも知れない。
 
これは視点を変えると、逆の捉え方もできるのだ。
 
 
「若者の所得が下がり過ぎているから、格安販売ができる大型店しか”利用できない”」
 
という側面もあるのだ。
 
 
「でも、そんなの言い訳で、もっと稼いでもっと消費すればいい」
 
「金は天下の回りもの。良い金の回し方をすれば更に所得は上がる」
 
「自分はケチケチするくせに、少ない稼ぎを嘆くな」
 
関東で営業のコンサルをしていた頃、営業マン達にこう伝え続けてきた。
 
 
しかも、実際そうやって私は稼いでいたし、
 
20代前半から、年収のゼロは一つ多かった。
 
 
その私が今、ドンキ○ーテでビールをまとめ買いしているのである。
 
なぜなら、所得が激減したからだ。
 
その上近頃は、今まで大嫌いだった”100円ショップ”にもお世話になっている始末だ。
 
 
当然、安月給は覚悟の上で、地域おこし協力隊に就任した。
 
就任中の3年間は、貯金を切り崩しながらの生活になることくらい、分かっていたことだ。
 
 
でも実際に、毎月の支出が、収入より多い日々が続くと、どうしてもケチケチしてしまうのである。
 
 
それでも、”海の近くでゆったりとした暮らし”がしたくて宮崎に移住して来て、何一つ後悔はしていない。
 
家族全員で”ケチケチ”しようが、何も恥ずかしいとも思っていない。
 
 
ただ、自分の信念の矛盾が恥ずかしい。
 
そして、(心の中で)今まで批判してきた”激安の殿堂”に謝りたい。
 
おなかに「ド」と書いてあるペンギンさん、
 
今までごめんなさい。

 
これからもよろしくです。
 
 
 
長くなってしまった。。。
 
 
結論は、
 
一消費者として、当然私も安く買いたい。
 
でも、出来る範囲で自分の地元は応援していきたい。

 
 
どんな時代であれ、
 
「生きた金の使い方」
 
ができる男でありたい。
 
 
 
 

■ 記事をシェアする