想像力は移動距離に比例する
2019/08/21
ある方の講演の中で
「想像力は移動距離に比例する」
という言葉があった。
腹の底まで腑に落ちる言葉だった。
何より、実行している者が言う言葉の説得力に、グッと来た。
白人文化を賞賛するわけではないが、
欧米の若者は旅をする。
いや、欧米人は子育て中のファミリーも、リタイア後の老夫婦も、
よく旅に出る。
彼らは背中にバックパックを背負って、
安宿に泊まり、
現地のものを現地の方法で食し、
決して衛生的とは言えないトイレで用を足し、
貯金残高より、
人生経験の多寡を重要視している。
「そういう欧米人もいれば、そうじゃない欧米人もいるでしょ?」
「日本人のバックパッカーだっているじゃん」
という声が聞こえてきそうだが、それは違う。
数が圧倒的に少ない。
あなたの同級生で、リュックひとつ持って、世界中を旅した友達はそうそういないだろう。
休暇のたびに激安節約旅行に出かける同僚も多くないはずだ。
日本は今景気が悪いから、、、
といった類の話ではない。
文化の違いだ。
嘘だと思うなら実際に行って見て、是非、体感してみてほしい。
旅行雑誌に載っている”ココだけは行っておきたいオススメポイント”で記念撮影をしに行っている訳ではなく、
人間としての幅を広げるために、異文化の中に身を投じに行っているのだ。
完璧に清潔で、隅々まで空調の効いた有名ホテルに2泊3日ではなく、
部屋の壁にヤモリは付いているが、トイレにウォシュレットは付いていない安宿に2週間滞在するのだ。
しかも赤ん坊連れで。
なぜなら、「数年に一度の海外旅行」ではないからだ。
いちいちそんなに調べたり、金をかけたりしない。
休暇のたびに、外の世界に出るのは「いつものコトだから」。
「想像力」とは
「視野の広さ」であり、
「器の大きさ」あり、
「問題解決能力」であり、
「臨機応変力」であり、
「思いやり」でもある。
つまり、「旅はいずれ財産になる。」
ということが、世界的な共通認識なのだと思う。
日本の若者がおしゃれを気にしたり、エステに通ってる時、
彼らは泥まみれのスニーカーで、”自分の視野を広げる旅”に繰り出している。
日本の若者が一生懸命貯めた金で、ブランド物を買っている時、
彼らは人生を豊かにする”激安航空チケット”を買っている。
日本の若者が”今流行りのデザート”を自宅で検索している時、
彼らは”異国の未知なる食文化”を現地で探索している。
結果、
日本の大学生が合コンで盛り上がっている時、
彼らの国の大学生は”現政権に対する意思表示のデモ”に参加している。
「想像力は移動距離に比例する」
とても雄弁で、的を射た名言だと思う。
しかもアメリカの大学を卒業し、その後東北で起業し、
現在は全国から講演の依頼で引っ張りダコの方の言葉だ。
すさまじい説得力を帯びている。
「可愛い子には旅をさせよ」
日本の諺なのに、
最近あまり普段聞かないなぁ、これ。
視野は広く保ちながら歳を重ねていきたいと、
改めて考えている今日この頃でござる。